『ムーンライズ・キングダム』に学ぶ60年代レトロかわいいファッション

 

世間はクリスマスモードであります。
11月はカボチャのオバケであふれていたのに、それが急に一変しますね。

人肌恋しい季節ですが……

日本のクリスマスというのは、なかなか特殊でありまして、恋人がいないと楽しめないと言いますか、謳歌する勝ち組と、それを見て見ぬふりする独り者、という構図があったりなかったり。

12月は、恋人が欲しくなる月ランキング圧倒的一位なのだそうですが、クリスマスを恋人と過ごせる人間はなんと10%以下であるそうです。巷では、あたかも「恋人と過ごすべき!」と言わんばかりの広告があふれていまして、ホワイトクリスマスに温泉デートで云々、カップル向けディナーコースをイルミネーションと共に云々、そしてクリスマスソングは愛を歌い、ファッション雑誌までもがデート特集……という具合です。

そうやって世間を煽っておいて、実際に恋人と過ごす人はごく少数なのですから、これは資本主義の功罪とも言えます。

かく言う僕も踊らされた側の人間でした。『クリスマスを単身で過ごすなど、若い男の名が廃る!』と思い至り、学生時代は恋人探しに翻弄しました。クラスのマドンナが「サンタの格好をしている」と聞けば、バイト先へ男子数名で足を運びました。そして「誰に彼女だ、誰が別れた」と盛り上がり、結局のところ独り身となった暁には、反省会と称したバカ騒ぎに興じていたのです。

 

映画を見ればいいじゃないか。

 

さて、そんなこんなの色々を無視しまして、僕はこの時期になるとなぜか見返したくなる映画があります。その名も『ムーンライズ・キングダム』舞台はイルミネーションの輝く街でなければ、冬でもないし、なんならクリスマスも関係ありません。それでも見たくなるのは、人肌恋しい季節だからでしょうか。内容は「少年少女の小さな大恋愛」いわゆるボーイ・ミーツ・ガール作品なのです。

 

レトロファッション観察記

そうは言っても、この記事はレトロファッション観察記、恋愛模様は無視しても楽しめます。舞台は60年代の小さな島。そこで駆け落ちをした12歳の主人公と、翻弄される大人達のファッションが無駄に可愛い。これが本当に「無駄」と思える程にオシャレで可愛いのです。

それでは観察していきましょう。レトロファッション観察記、今回は映画『ムーンライズ・キングダム』を見てまいります。

 

まずはざっくりとストーリーに沿って観察しましょう。

 

主人公サムは、女子更衣室にずかずかと侵入して、ヒロインへ話しかけます。

他の女子が嫌な顔をするなか、顔色を変えないヒロインのスージー

どうやら、ここから二人の恋が始まるようなのです!

 

 

二人には、共通点がありました。

それは、両親に問題を感じている点と……

 

 

そして、彼ら自身も問題児であるということ。

 

うっかり放火するサム

 

すぐにキレるスージー

 

努力しても友達のできないサム

 

 

そうして二人は文通の末に家出(駆け落ち?)を計画

 

草むらで落ち合い

川を越え

 

香水にときめいたり、一緒に食事をしたり

 

時にケンカもして……

 

目的の地ムーンライズキングダムに到着します。

 

 

そんな逃避行も束の間。

すぐに大人たちに連れ戻されます。

 

引き離される二人は、どうなってしまうのか。

 

 

いざ!ファッション観察

 

さて、感動のラストはご自身でご覧頂くとして、本題のファッション観察といきましょう。

舞台は60年代のニューイングランド地方の小さな島。登場人物はイギリス系アメリカ人ということになると思います。そういえばシングルマンも60年代のイギリス系でしたね。僕は60年代イギリス系が好きなのでしょうか。

過去記事 『シングルマンから見る60年代アメリカとシグネットリング』

 

さて、今回の注目ポイントはチェック柄と、ほどよい抜け感。

まず、ナレーターのボブ・バラバンに注目。

赤とグリーンの色使いは、お互いを引き立てる補色の関係。帽子、そして左奥の男性の服がグリーンですね。

色使いについては、『アメリから学ぶ色使い』もチェック!

そしてフードの内張りがチェックなの気づきました?

 

パンツの丈が寸足らずなのは、ウェス・アンダーソン監督の定番です。程よく間抜けですね♪

 

 

ウォード隊長は、テントの内装もパジャマもチェック模様。

 

ブルース・ウィリス演じるシャープ警部は、ネクタイの短さに注目です。

基本的にネクタイの先は、ベルトの真上とされています。それより上部で結ぶときは、ポッコリお腹を強調させるので気をつけるべきというのがセオリー、今回は逆手にとって可愛さを演出していますね。

 

あえてセオリーから外してコミカルな雰囲気を演出するという意味では、芋洗坂係長が良い例だと思います。

小さく結ぶべきノットを大きくし、長さは極端に短いですね。

しかも本来厳格な意味を持つ英国式レジメンタルストライプのネクタイ使ってますから“コミカル”という意味では、レベルの高い着こなしだと思います。

 

 

主人公にも注目です。

特にスージーのワンピースは破壊力抜群。

Aラインのミニ・ワンピースは、60年代を代表するファッションです。

代表格は、もちろんこの人。ツイッギーでしょう。

脚の細さを問われる攻めたデザイン、しかもベルトがセットになっていてウエストの細さも目立つ仕様です。スージーは他にもチェック柄や色違いの服を着ています。要チェック!

 

 

サムは?

もうひとりの主人公サムは、ほとんどボーイスカウトの格好なのですが、演じるジャレッド・ギルマン君の会見やイベントでのファッションが最高にオシャレなんです。

 

実はブランド名をレトロボーイと決めたとき、イメージキャラクターはギルマン君だ!と思ったほどです。 個性的で、やさしそうで、オシャレ。 そんな雰囲気にとても好感を持っているのです。

 

 

 

厳しい大人たちも、どこかかわいい

 

唯一かわいげのない大人、ティルダ・スウィントン演じるソーシャルサービス

 

この人だけは、ずっと厳格な印象です。ひきたて役として、みんなの間抜け感を目立たせますね。

 

演じるティルダ・スウィントンは、名優です。

なぜか特殊メイクも多いのが特徴。

 

 

 

最後に建物もかわいい!

まず交番

 

これは郵便局

 

一般家庭(旦那さんのネクタイに注目!)

 

いかがだったでしょうか。『60年代かわいい』をテーマに

チェック柄と抜け感に注目して観察してまいりました。

特にチェック柄はスコットランドなどイギリスに起源をもつ物も多く、さらに詳しく観察するのも一興でしょう。旧イギリス領のチェック模様(インドのマドラスチェック)などオリエンタルな雰囲気を持つものも味わい深いです。

 

 

 

最後におまけ。

なんとスージーの下着もチェック模様!